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幻想郷日記 紅魔郷編 その2 改訂

ごめん、正直スマンカッタ。

レミリアお嬢様が背後に忍び寄ってザックリだの、”読んでいたのさ!”バリの腰に差していた短刀で防ぐだの、正直無いわ。

で、改訂、増加。

そして更新再開。

しかし改訂途中なので一旦これで切り。続きはまた明日。

「おーい、霊夢ー。魔理沙ー。」
「お?恵比寿じゃないか。どうしたんだ?」
「そんなに走って忙しい人ね。」
何とか二人に追いつき、声を張り上げる。
空が飛べるからいい気なもんである。俺も飛行用の機材作るかね。

”ブースターポッド”の名札を入れて、魔理沙にしがみ付く。
俺のオーラだか氣だかが魔理沙に流れ込んで魔理沙の負担を軽くする。便利なもんである。

やはりと言うか何と言うか二人もこの霧の騒動を片付けに行くようだ。
と言うか原作知識在るからさ、大体解るんだけど。
「そういや、道中何もなかったか?調子に乗って出てきた奴とか。」
「何も?」
「しいて言えば、ルーミアが出たぐらいか?」
ルーミア、と聞いて顔をしかめる。
あいつには色々と因縁が・・・少ないが、在るには在る。
二年たつのに、まだ消えないもの。
「そういや恵比寿って、あいつに食われかけたんだっけか。」
「応、右腕とハラワタと。んでそれから必死で逃げようとして。」
「力に目覚めたと。ありきたりねー。にしてもなによ、そんなこと思い出したくなかったら聞かなっかったらいいじゃない。そ

れて何で来たの?」
「あー、来た理由か。そりゃあんだけ使えるもの作っといて何もしなかったら役立たずの汚名もおっかぶせられちまうだろ。そ

れは俺の能力的に重大でな?報酬より重い、能力の光と影だ。そして聞いたのは、藪蛇だったな。二年経ったのにまだ怖い。」
手を見なくてもわかる。震えている。
「フツノ作ったって言うのにこれだ。先が思いやられる」

そんなわけで、霊夢と魔理沙に合流した俺は紅魔館へ行くことにした。

したのだが、それより前に片付けなければならない問題がある。

「あんたたち、ここはあたいの湖よ!勝手に通るのは許さないんだから!」

チルノである。

さて、どうしたものだか。
「魔理沙待て。八卦炉構えるな。霊夢も夢想封印は待て。」
「じゃあどうするんだよ。あいつこのままだと通さない気満々だぜ?」
「ふむ」
俺はチルノに近づいていく。
「おー、なんだお前は?あたいに逆らおうっての?いい度胸ね?」
「逆らわないよチルノ。俺だ俺。チルノの下僕の名無しだよ。ひさしぶり」
「名無し!久しぶりじゃない。どうしたのこんなところにきて?はっ!まさか下克上に!?」
「しない。俺たちは紅魔館に行くんだ。お願いチルノ、通らせて」
そういうと俺は頭を下げる。チルノはそれに気を好くしたのか
「下僕のあんたが言うんならいいでしょ。通りなさい」
「ありがとチルノ。今度何かお菓子持って来るね。大妖精も何かリクエスト在る?」
「あたいは練乳!」
「チルノちゃんそれお菓子じゃないから。私は飴をお願いします」
「了解了解。わかったよ二人とも。それから俺の名前は今は恵比寿な?」

一言ぐらいは言っておく。しかし覚えていられるだろうか?
じゃあねー、と言う声を聞きながら湖を進む。

「何であいつに頭下げたんだ?」
「そうよ、スペルカードで一発じゃない」
二人の感想である。なんともまた過激なコメントだ。
「チルノには恩が在るよ。ルーミアに食われかけてたときに助けてもらった。なら極力倒さないつもりなのです」
「でもさ、頭下げるなんて・・・」
「大の大人が頭を下げる。外じゃ日常茶飯事なのですよ困ったことに。そしてこの程度のことでどうこう言うのは子供なのです、大人はとっとと目的地に行くのです」
無駄にですます口調になり、先に進む。

「めんどくさいんだな外って。何でそんなことしなきゃなんないんだ?」
「そんな事しなくてもいいじゃない。止めて他の事しなさいよ」
「外じゃ大を生かす為に小を切り捨てる社会なんだ。日々の糧を得るためにも不平不満は我慢するの。それで安定した生活が出来る。」
そういうと二人は頭を抱える。うん、俺も頭を抱える。何でこんなことしなきゃ生きていけないんだ、全く。
「ええよ、難しい事は。二人は今のままがええ。解らんでもそのうち・・・・解らんか。二人とも社会ってもんに縛られてないくさいし。特に霊夢」
「ちょっと、何であたしが」
「空を飛ぶ程度の能力」
「幻想郷の素敵な巫女」
魔理沙と二人して言う。
がー!とほえる霊夢を見ながら湖を越える。そろそろ紅魔館。

「おーい美鈴師匠!遊びに来ましたー!」
「こんにちわ、恵比寿。どうしたの?」
魔理沙の箒から降りて美鈴に挨拶する。俺の武術の師匠、紅美鈴。紅魔館の門番である。
説明は要らない有名妖怪だ。いや、しよう。下手な意味が付加してしまっては事だ。
気を使う程度の能力もちでと言う事で気功師で、太極拳を使う。太極拳がどんなのか?ツマヌダ読んでくれ。
とにかく、二順装備して塘路を踏むのを教えてもらったり組み手してもらったりしている。
「だから、遊びに来ました。この霧って紅魔館が発生の中心だからレミリアの管轄でしょう?こういう事するほどヒマで退屈だって事なら、遊んで退屈紛らわせて異変を終わらせます。そうでなくても彼女からこれを止めさせるように言って貰う様にします。そういうことで遊びに来ました」
大切な事なので二回言いましたっと。
「そういうことならまぁいいかも。案内しますね」
そういうと美鈴は館に向いて歩いていく。
ついて行こうとすると魔理沙が八卦路を構えているのを見つけて取り押さえる。
「だからスペカは止めろと!霊夢も~!」
ホントにこの二人は!

そんなこんなで紅魔館当主、レミリア=スカーレットの部屋へ。
「退屈で日の光がウザいからやった。反省も後悔もしていない」(意訳)
だそうだ。そして、
「退屈を紛らわせるならスペカバトルだ!」(意訳)
とか言われた。そして相手は俺になった。ドンだけー!?

「珍しいな、恵比寿がスペカバトルなんて。あんまり乗ってこないんだぜ?」
「はぐらかして逃げ回って、ろくなもんじゃないわよね。妖怪の退治とかはするけど」
「そうなの?外じゃあんまり使ってないの。それじゃ、弟子の実力は見れるのかしら?なまってなければいいのだけど」
散々な言われ様で在る。て言うかパチェリー師匠、それはないス、勘弁してください。
「酷い下馬評ね。楽しませてくれるの?」
「アイアイ、全力で行かせてもらうよ、今回は。けどちょっと待ってね?少し考えるから」
「戦う人を前にして考え事するなんて。早くなさい」
さて、どうしてこうなったのか。赤い霧の事を聞いて止めるように言ってレミリアがごねて、だったらスペカバトルだって話になって?誰が行くのかって話になった時に今まで一発も撃たせてなくてフラストレーションが溜まっていたのか、お茶の準備を咲夜さんとしてて、入る君からお菓子出してる俺を見た二人がイイ笑顔でうなずいて?
「ホントどうしてこうなった!?霊夢と魔理沙の二人が紅魔館引っ掻き回してるのを俺がスネークダンボールで隠れながら見てるのをパチェリー師匠に見つかってスペカバトルとか、俺の力で二人の名前呼んで基礎能力底上げしたりするイベントとかその力でレミリアに勝ったりとか!?そういうイベントどこ行った!?」
「さあ?何ででしょうね?」
そういうとレミリアは翼を広げて空を舞う。
「さあ、もういいわね?きっちり私を楽しませなさい!」
「ドチクショー!」
そういうと馬上槍を構えて走り出す。
馬上槍に気を流し込むと、槍の表面に描いた魔法陣から光があふれて槍を纏う。
それを見たレミリアがスペルカードを宣言する!
「まずは一枚目!神罰「幼きデーモンロード」!」
紫の光球が召喚され青緑の光線が牢を描く。動ける範囲を区切ってからの全周囲魔弾!
出来るだけ距離をとってから回避にかかる。光の牢で身動きがとりづらいのに黄色の大球と青白い中球が撒き散らされる。
黄球と青球を避け、馬上槍にしたためた光を撃つ。
二度三度と牢が築かれ光弾が飛び交う。
「クソ!どうにか避ける場所は・・・!」
黄球を避けたと思うと青球に当たる。これで1被弾。
「あらあらどうしたの?これで終わり?」
「まだまだぁ!」
からかいの言葉か、レミリアに言い返す。
「じゃあがんばりなさい。次、紅符「スカーレットマイスタ」!」
赤い大中小の三種の弾を時に直線に、時に自分の周りを回しながら撃つ。
これは比較的避けやすいか?まあ、気合を入れて避けていく。
直線撃ちの残滓が残っているところを曲線撃ちが襲う。
避けれないことはない、が。
「早い早いはやいー!」
部屋の中を駆け抜ける。
腕に当たるのは気にしない。気にするのは足だ。
先ほどのスペルカードで被弾箇所がすこーし痛い。
少しでも動き回るために必要な足が負傷。
これで戦闘機なら中破判定か大破判定か。
小破判定したのならそんな判定した奴は首だ。
「なかなかやるじゃないの。じゃ次。獄符「千本の針の山」」

レミリアを中心に魔力の針が展開される。
「近づけねぇ。どうしたものか。まあ全開って言ったんだ、がんばりますか」
レミリアに近づかず、針の軌道を読みながら馬上槍を構え、撃つ。
「いつまでそんなので戦ってるの!さっさと使いなさい!新しいのを!」
狙いはフツノか!馬上槍をバッグに戻しフツノを取り出す。
「行くよフツノ!お披露目だ!」
そういうとフツノを肩に担いで横なぎに振ると、針が全てたたき切られる。
「そうそう、そういうのを待ってたのよ」
面白い!そういうにやり笑いをするとレミリアは次のスペルカードを宣言する。
「神術「吸血鬼幻想」」
扇状に広がった紫の大球から赤い中球が打ち出されていく。しかもそれは移動せずに紫球の軌跡に滞空する。
          
何を?そう思うもつかの間、残った中球が波打つ。
「血の脈動か~!!」
避けて避けて避けて、さらに避ける・・・と思ったら、体のバランスをとるために伸ばしていた足に引っかかる。

コレナンテムリゲ?

そういうしかない濃密な弾幕が展開され、あえなくダウン。それまで溜まっていた疲れが吹き出して動けなくなる。

「なっさけないわね、もうちょっと頑張りなさいよ」

「3枚目でダウンか。マダマダだぜ?」

そういいつつ、二人はサクサクレミリアを倒し、これで赤い霧の異変は終わりを告げる。

はずだった。

「おねいさまだけずるいー!わたしも遊びたいー!」

フランドールスカーレットである。エクストラステージのボスで、ありとあらゆるモノを破壊する程度の能力をもつ、幻想郷トップクラスの危険なお子様である。

「あらフラン、遊びに来たの?」

「・・・・・・ういー・・・・・っす・・・・」

レミリアたちがお茶を飲み、俺はソファに寝っ転がってさっきの弾幕ごっこの傷を癒している部屋に駆け込んできた。

「お姉さま、わたしも遊びたい。みんなと一緒に弾幕ごっこするの。」

プー、と膨れてレミリアに甘える。うむ、萌。しかしそう簡単に遊べそうに・・・ないよな?いっくらなんでも魔理沙や霊夢は・・・・。

チラリ、と見る。ふたりとも平然としている。やはりこいつら化物だ。弾幕ごっこのサラブレッド・・・!

「あなたが遊んであげなさいよ、恵比寿。今回あんまり活躍してないんだし」

俺がおののいているとそんなことを言い出す紅白。

「・・・・・・はい?」

「そうだな?チルノの奴は言いくるめただけだし、そういや門番になんて言ったっけ?」

俺の発言のログを見直す。そこには遊びに来たとある。おうしっと。こいつはとんだ盲点だった。

「じゃあ恵比寿!遊んで遊んでー」

そう言って、俺に近づいてくる無邪気。しかし俺はもうしばらく動けそうにない。が、この手のお子様は”今”遊びたいのだ。”後で遊ぶ”だの、”また今度”だのは禁句だ。おそらく駄々をこねる。そして泣いて、姉が来る。

妥協案を考えよう。今しばらくは動けない。もうしばらく待ってもらうか?だからそれは無理だって。しかし動けない。だがどうする、物で釣るか?

子供が好きそうなもの。

菓子・果物系か。

作り置きしとったかのう?

「あーはいはい、遊ぼうか。しかし俺はしばらく動けない。お菓子でも食べて少し」

落ち着こうか?そう続けようとするといきなり体に衝撃を感じ、視界いっぱいに久しく見なかった青空を見た。

紅魔館を見るとフルスイングしたらしいレーヴァティンを担いだ小さい姿を見た。

フランめ、子供だな。そう思いつつ空に身をゆだねて着地地点を見ると紅魔館前の湖が見えた。疲れて体に力が入らない今、水はヤバイ。溺れてしまう。なにより俺は海が危険域なのだ。

「マズイ」

「あらあらダメよフラン、いくら遊んでもらうからってお外で遊んじゃ。あなたの力は強力なのよ?何でもかんでも壊してしまうわ。ちゃんとルールを守って、その中で遊びなさい。すぐに終わってつまらなくなってしまうわ」

大好きな姉にダメ出しされてしゅんとなるお子様吸血鬼。

「ごめんなさい、お姉さま」

その姿に満足したのか、レミリアはお茶を勧めようとしたが外の轟音がそれを妨げる。

「何?この音は。折角のお茶の時間を邪魔するっていうの?」

そう言って目を向けると、湖から水でできた蛇が鎌首を持ち上げこちらを見ていた。

「何あれ?シーサーペント?あれは海の生き物でしょう?あんなの幻想郷にいたかしら」

「あれは恵比寿よ」

そう言って、スキマから人影が出てくる。

「賢者妖怪、あんたはお呼びじゃないいんだけどね?」

「そういいなさんなよ、吸血鬼。アレのことで説明した方がいいでしょう?」

「なにか知ってるの紫?」

「知ってるも何も、あれ一度わたしが出したのよ」

そう言ってレミリア達のテーブルにつく。

「あれは恵比寿よ。彼の本名は”瑞洋 大”。水の広く、さらに大きく。それが彼の名前。何とも子供のような話でしょう?

”水の広くて大きいのは海だ。海は、生命の生まれた場所であり、死んで流れ着く場所であり、またどこへでも行く為の道であり、生活する場である。しかも大きさそのものが生命力の表れである”なんて。

そんな事を言うなら素直に海神の名を名乗ればいいのに、大きな力を欲しがって変な意味付けをするから海に触れるだけで取り込まれてしまう。しかも意識が”海”を制するだけの許容量が無いから自分が何者か分からないようになってしまうし。

その時は無理やりやったから力が暴走して生きる意思の怪物になっちゃうし、揉み消すのが大変だったわよ」

なんてことをいう。

「ふむ、つまり多少のことで恵比寿は死なない?」

それを聞いたレミリアは顎に手を当て、考える仕草をする。そして微笑を浮かべ、

「フラン」

「なにー?お姉さま」

「あれで遊んでいらっしゃい、多少のことでは壊れないだろうしね」

「だったら湖の水は少し残しておいた方がいいわね。彼の意識は湖の水の中に散っているようだし。ありとあらゆるモノを破壊する程度の能力、この機会に力をセーブする練習に使ったてみたらどうかしら?」

悪魔の提案に平気で乗る。こいつら大概外道である。

さて、俺が溺れた後でこんな話が交わされたあと、フランドールからコテンパンにのされて水で出来た蛇が消失した後、湖の水面に浮かんでいるところを発見され家に放り込まれたらしい。

俺としてはもう少し力の制御、しいて言えば水の中に溶け込んでからのリカバリの経験値が必要なのだが、まあまた次回にする。

そんなわけで、今回の異変は終りを告げた。

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