« やっと書けた | トップページ | 参加表明 »

五行風水改定1話

前書き

改めて開始します。どれだけの人がみているのか、素で自分でも忘れて居たようなもんなんで。

ええ、これからはこんなガッツリした分量で書いていくんで。

改めて、ヨロシクおねがいします。

昨日と代わり映えのしない毎日。
朝おきて、会社に生き、仕事をしてから家に帰る。
そして適当にインターネットを見て素人政府を笑い、ゲームをし、マスかいて寝る。
そしてこのまま独身で人生を終える。

そんな人生の終わりがすでに見えている毎日を、しかし変えようともせず日々だらだらと暮らしていた。
そして今日も一日を終える、はずだった。

俺は今、真っ白な空間にいる。家具は無い。身体ごと左右に首を振り、辺りを見回して見ても、床白。壁白。天井も白。物が無い故に部屋の端までの距離は測れず、また天井までの高さも判らない。
「部屋で寝たはずだよな、おい。なのになんで、マトリクスの見せ場、モーフィアス奪還準備の部屋みたいに真っ白なんだよ。最近見て無いぞ。夢に出るならもっとマシなもの見せろっての。」
「それはスマンかったの。」
俺以外に人影が見えなかった空間で、突然老人の声が聞こえた。
「失礼ですが、どちら様でしょうか?俺、もとい自分は瑞広大と言います。」
これでももう既に26。人に名前を尋ねる時の礼儀くらいは弁えている。
「わしはのう、お前たちの言うところの神様じゃよ。」
いきなり飛ばしすぎだろう。誰が好き好んで神様と。
そんな感想はひとまず脇にでも置いて、今の状況を考えようか。解り易く3行で箇条書きだ。

今、真っ白の部屋にいて、俺は御老体と二人っきりだ。
この御老体、自らを神と称する。
明日の仕事どうしよう。

先ず一行目。うむ、見たまんまだ。他には何も存在しない。故にこの御老体と話をしなければ先に進めないだろう。後する事と言えば御老体を無視して寝る事か。

そして二行目。これはまあいいだろう。自称するのは誰でも自由だ。出来るのならば俺だって、世界の中心だとでも言える。むしろ今の状態がそれだ。
今俺を構成している世界はこの真っ白な空間だけで、そしてこの空間を好き勝手に使えるのも俺だ。まさに俺を中心に世界が廻っている。むしろ回す。
そして神、と言えるくらいの実力があるのだろうか?
手を振るうまでも無く意志さえあれば出来る事が出来るのであれば先ずは存在を確定する事が出来る。そしてそれは人間にだって出来るから、それだけで判断は不可。人間以上の事が出来て初めて神と称しよう。たとえばヤって1日で子供が出来たり天変地異を起こしたり。
それを見せろ、と言うのは最大級の地雷だ。神の力を疑うのはマジ鬼門。天罰覿面確定。ならばどうするか?

保留だ。

最後。明日の仕事。
何故これが上がる?何故?何故?何故?何故?何故?
とりあえず、職場の標語、何故を5回連続で言って見る。そうすれば自ずと問題が見えてくる。ホラ見えた。
先ずはお金だ。生きなきゃ。次に親だ。親のコネで就職して?今実家住まいで?ニートになったらマジヤバイ。
しかもお前、中々独立できずに親元で暮らしてるのがいきなり消えてみ?親に愛想つかされんじゃね?

そこまで行って、背中に嫌な汗が浮くのを感じる。主に、今後の生活に関して。
何か言わなければ、と思い口を開こうとして、
「あの、神様?」
「なんじゃ?」
「明日の仕事に間に合いますか?」
先ほど纏めた考えを、言って見る。すると呆れた顔で、
「もっと他に聞く事有ろうに、何で明日の仕事を聞くのかの?」
「ワーキングプアジャパニーズを舐めないでください。もっとも、先見性の無さを言われると困りますが。それで、神様。改めてお尋ねします。この状態は何時解除されるのでしょうか?よろしければ、お尋ねしても?」
「うむ、この部屋からはすぐに出そう。しかし、お主の明日の仕事は無理じゃ。」
なんて事を言いやがったよこのジジイ。
クラリ、とくる返答に顔に架かっている眼鏡を取って眉間をもむ。色々と駄目になりそうだ。
5分か10分か、呆けた意識を呼び戻して再度尋ねる。
「明日の仕事に行けないとは何故でしょう?教えてください。判断材料がここには全くありません。自分で調べて知っていけません。」
「ほっほ。何、わしらの暇潰しにつきあってもらおうかとの。お主にはこれから色々と困って苦労してもらう。わしらはそれを見て笑うという寸法じゃ。」
ギリ、と知らずコブシを握る。
何故、俺が神(ジジイ)とその仲間たち(憶測)の為のピエロをやらなきゃならんのだ。
そんな俺の思いを知ったか、神は言う。
「今さっきお主が自分で言いおったろ、先見性の無さ、と。そのお陰で色々とわし等も苦労しての。信仰が全く集まらん。ここは一つ、人間たちに苦労してもらってわしらの必要性を思い知ってもらいつつ酒の肴に弄ろうかと。」
なんて事をのたまいやがった。ガッデム。

色々と絶望する事しばし。うだうだ考えていても良いってか考えたいが、そういうわけにも行かず、神さま(ジジイ)に問いかける。積んでるプラモ作りたいし途中のゲームをクリアしたいし。
「酒の肴とおっしゃいましたが、具体的には何を?適度に命に関る事ですか?自分はそれに何処まで対処できますか?そして自分は元の位置に、家に仕事に戻れますか?」
「先ずは異世界に放り込む。場所は秘密じゃ・・・待て、そう睨むでない。睨むでないぞ?言うから、だからその握り構えたコブシを下ろせ、うむ。今から話す。わし等の間で今お前たち人間を他所の世界に放り込んで遊ぶのが人気での?わし等から道具や技術を与えて放り込んで見たり、身一つで放り込んでみたり。与えた情況でどのような行動を起こすのかを見て楽しんでおるのじゃ。しかもお主等、碌な事せん癖に言う事は一人前での?ここはひとつ、ちょいとどうしようもない様な状況に放り込んで遊ぼうと・・・待て、だからその正拳の素振りをするな。裸足になって踏み込みを確かめんでよい。腰の入れ具合など見んでよい。うむ、とりあえずは座れ。うむ。でじゃ。わし等も苦労しておるでの?可愛い子には旅をさせよと。しかもお主等、苦労とやらを知らぬじゃろ。そういうわけで、若い時の買わねばならぬ苦労を押し売ろうかと。」

もうジジイで良いよね?
しかし信仰に苦労、ね。参ったね、こりゃ。そういや最近、というか夏祭りの時の近くの神社の参拝行かなかったし、しかも初コミケにかまけてばあちゃん達の墓参り行かなかったのマズかったか。
「敬語使い慣れて無いですしもう普通の話し方で良いですよねってかいいよな爺さん。信仰心だの苦労だの、解らん話どころか身に覚えが有りすぎるから目が覚めるなりしたら神社参拝にでも行くとしてさ、俺は一体何処に放り込まれるんだね?すぐに死ぬような所だとあんたたちも楽しめないと思うが?」
「いきなり口調がぞんざいになったのう。それで行ってもらう場所じゃが、ハンターハンターの世界と言う。あた、神に手を上げるとはなにご、れ、連続で殴るでない。うむ、送り込む世界が如何なる世界か知らぬ訳でもない。故に幾つか、ハンデを付けさせてもらう。」
ハンデ?といぶかしむ。苦労だのなんだのと言うからには良い物では無いだろう。むしろ苦労を生み出しそうだ。
「場所は都市部。そして戸籍等は今持っている自動車免許を使える様にしておこう。とはいっても疑われない程度だがの。それと手持ちの資金をいくらか遣ろう。そしてもう一つ。」
ずずい、と身を乗り出す。こういう時は様式美だが、自然身を乗り出すものだ。
その反応に気をよくしてか、ジジイも溜めに溜め、
「幸運を弄らせてもらう。だがこれは善い方向だけでなく、悪い方向にも働くから注意が必要じゃの。」
ブチコロシテモイイダロウカ。
殺気、と言うものを実感した事などついぞ無いが、とりあえず振るう拳の軌道を思い描き、その結果を想像する。
対象の正面でそのまますぐ正拳を撃つか?それとも少し離れて走りこむか?
中学時代の剣道部の顧問は走りこみ、力いっぱい蹴り出して振りぬけと仰った。
素振り千本の時だ。一番最後、思い切り踏み込み、降りぬいた時の壁にぶつかるとか二次被害を考えない一刀は、最上級のほめ方だった。よしそれで行こう。
思い切り良い一撃を見舞わんが為、距離を測ろうとした所ストップが架かる。
「これはの?チャクラが開きやすくなると行った効果があっての?まあいうなれば、御都合主義の加護がかかるんじゃよ。」
「それで何か?面白い念能力を使えばヒソカに見つかりやすく、素晴らしい念能力を手に入れたら団長に見つかりやすくなるってか?」
そう突っ込むとジジイの顔にでかい汗が噴出す。
図星か。
「たしか火偏の燃のやり方は・・・」
「まあ待つんじゃ。」
距離を取ろうと背を向ける俺にジジイが額に幾多の大きな汗粒を浮き上がらせて俺の肩をつかみ静止する。
「最近、と言うかここ数年ペナルティ無しで多くの大きな力を手に入れた人間達の転移が多発しての?あまりそういった方向の御都合主義がやれんでの。御主を肴に遊ぼうとしてもエントロピー増大の法則だのエネルギー恒存則だの、まあつまらないという理由でそう言うペナルティを・・・待て、待つんじゃ。今ここでナンタラの剣なんぞを作ってみぃ、そいつが御主の念となって固定してしまうぞ?それで良いのか?うむ、じゃからその最上段に振りかぶった手を下ろせ。うむ。それでええ、いくら御都合主義が働こうがメモリの少なさやオーラ総量が足りんでの?あまりぱっとした念が生まれん。うむ、そんなわけでじゃ、御主に大きな力はやれん。しかし、鍛えて成長する事は出来る。何処まで行けるかはわからん。それこそ御都合主義の加護しか知らんし、御主次第じゃ。そんなところかの。後はそうじゃ。コイツをやろう。」
そう言って虚空からA4サイズの皮のカバーの掛けられた物を渡される。
皮のカバーはベージュ色で、ブックカバーのように二つ折りになっている。開いて見ると右側に取扱説明書と書かれた冊子が挟まったバインダーと、左側に液晶パネルがあり、
「ノートパソコン?いや違う、IPADみたいなものか?」
「PDAじゃな、ちなみにIAI製品じゃ。」
「マテヤジジイ。」
あるのか?あるのかIAI。
「うむ、平行に存在する幾つもの異世界の中にの。細かい事はこいつの中にあるし、サポートなんかも受け付けとる。音声認識も出来る一品じゃ。」
「自重を投げ飛ばして突っ走る連中の作品か、期待させて貰おうか。」
「うむ、ワシ等の間でもあ奴等は人気での。小気味よい。」
「それとこれは我侭だ。俺のIPODの中身をこの中に入れてくれ。というか出来るんだろな、演奏順だのなんだの。終わクロ世界にアップルあるのかわからんし・・・」
「出来るぞ、USBで繋いで送信して、うむ、完了じゃ。これでPDAからも聴けるぞ。さて、わしからは以上じゃ。詳しくは向こうでPDAで調べてくれ。」
そう言ってジジイが腕を振ると、家具やクローゼットの中身が真っ白の空間の床から生えてくる。机や本棚、箪笥の並びを見るに俺の部屋の並びだ。
「必要だと思う物を用意して、鞄にでも積めて出発の用意をするが良い、残りの持っていける物は鞄一つに納まるようにの。サービスじゃ、本棚の中の物はPDAの中にはいっとるからの。プラモデルは駄目じゃ。今は捨てて置くが良い。まあ、そんなに多く持ち込めはせんのだ、本だけでもありがたく思うがええ。」
改めて俺の部屋を見渡す。うむ、同人誌だのプラモだのが多い部屋だ。ジジイの言葉に殺意を思いつつ、泣く泣くプラモデルを置いておく。作って無いな、MGのVダッシュガンダム等ガンプラおよびアーマードコア他多数。戦闘妖精雪風なんかもあったりする。これから俺が行くのは暢気にプラモを作っている閑なぞあんまり無い世界だ。確保するまでそんな余裕は無いだろう。ついたらしばらく念を、念の為の燃を行う修行だ。一つ一つ手に取り、そして、戻す。これからの俺に必要な物。一人旅だろうか。なら代えの下着を数組と歯ブラシ髭剃りタオル等お泊りセット、懐中電灯そして肥後守を出す。それとノートと消しゴムとシャープペンシル。あと靴。
それらを鞄に入れて準備を終わらせる。
「では、準備は良いかの?」
「ああ、だが一つだけ残っている。」
「それはなんじゃ?」
準備中に、否、初めっから思っていた事をこめて、拳を振りかぶり、
「てめぇジジイ!絶対にもう一度会って、貴様をぶん殴りに来るからな、憶えていろ!」
そう言って殴りかかるが、それよりもジジイの転送の方が早かった。そして視界が薄れていく中でジジイが手を振るのが見える。
「では、達者での~。」

「さて、ここは何処で、今は何時だ?」
雪の降り積もる町の公園でベンチに座りPDAを弄る。そうすると、漂流者心得なるファイルを見つけ、表示する。MMORPGの宣伝ページの如く、色々な事がかかれている。しかし俺の捜し求める物ではない。メニューから時間を表示すると1994年1月1日午前8時と表示された。
「6年?中途半端な。さて場所は、と。」
さっき見つけたファイルを出す。そこにはハンター世界にてハンターになり、念を憶えて色々やれ、と書かれている。
「何?特別ルール?」
俺の名前の書かれている項目を見る。そこにはキメラアント王メルエムに会うこと、とある。
「やられた・・・、しかも会いに行かなかったら八頭身状態にして俺のベッドに放り込むだと?」
虫キングの情報を思い出す。確かネテロ会長の念能力百式観音を見切って左腕右足を切り落とし、零式にも耐え、小型限定核・貧者の薔薇をもしのぎ切った筈。さすがに五体不満足で、ユピーとプフを食べて何とか回復、位にダメージを負ったが。
アレに強制エンカウントイベント?
これなんて無理ゲ?
「生半可な修行じゃ死ぬ、しかし無理な修行も不可。そしてただ物見遊山では原作のゴン見たくカイトポジが死ぬ。」
別に誰かペアやチームを組む訳ではないが、それでもだ。見たくない物は見たくない。
「無理やりにでも頑張らなきゃならないじゃないか。なるほど、肴にすると言っていたが、こう来るか。」
先ず、修行だ。方法は?何かあるか?
ゲームプレイ方法、なる項目を表示する。そのネーミングセンスに殺意が沸く。
曰く、修行しろ。動物狩るか依頼をこなすかしろ。
ありきたりすぎる。しかも仕事斡旋所がハンター御用達とか。
念を憶えないと無理だっての。
「山篭りか?もしくはククルーマウンテンのゾルディック家の門の掃除夫。」
とりあえず、資金を確認する。100万ジェニー。
PDAのメモ機能を呼び出し箇条書きする。

題:念の修行
アパートを借りて仕事に就き、金を貯めて交通手段を使いククルーマウンテンへ。金が溜まる間、走って体力づくり、そして燃の修行。そして交通機関を調べる。
地図を買い、今すぐ徒歩でククルーマウンテンへ、その道中に、毎日走って体力づくり、そして燃の修行。
ハガレン=エルリック兄弟式修行。無人島で一ヶ月。燃のしゅg(ry。
ハガレン=マキ・イズミ式修行。雪山で一ヶ月。燃n(ry。

燃の修行。これは大事だ。点、舌、練、発。言うは易し、やるは難し。そして基礎がなって無かったら全然駄目になる。参考はGIの一般プレイヤー。
さりとて、主人公達の様に才能にあふれていない俺にゴンの様な事が?
ネタは有る。メモに後で書き留めるとして、今は修行方法だ。
そうして一度保存すると、なにやら効果音がなった。どうしたのかと思うデフォルメされた新庄運切が居て、吹き出しにこれからの行動についてと書かれて居る。
表示させると、

これからの行動について
プレイヤーは、これからの行動について、補正効果が与えられます。これは、我々神の玩具として楽しむ為の道具としての趣旨をこなした場合、ご褒美として与えられます。より困難な状況に自ら進み、我々を楽しませてください。そうすると、いい事が有ります。

「遊んでやがる・・・」
いい事って何だいい事って。
何故新庄?いや、可愛いから良いんだが。素晴らしき哉現人尻神。
とりあえず、これからの行動について、と書かれたファイルを検索し、他に有るか見て見ると、御都合主義内容なるファイルを見つける。
要約すると、ピエロになれ、と。そして楽しめたらポイントが入り、それ以降の行動に反映される、と。
そこまで来て、バッテリーの問題に気付き、PDAの取扱説明書を見る。
「何だよ、周囲のエーテルの差異により半永久に稼動出来ますって。しかも原子爆弾の直撃にも壊れないとか、ふざけてんのか。」
とりあえず、次にする事は決まった。
「街の向こうにある雪山に篭って修行。あと字を憶えないと駄目だからノートとシャーペンの芯の補充に地図と、長袖、厚手のコートとコンバットナイフ系でかいナイフの購入。ハンター文字はPDAの中に有る?ある、良し。さて、行こうか。」

山に篭って一週間が経った。うむ、燃の修行なんて忘れてたね。何しろ碌に飯に有り付けなかったんだもん。あまりの空腹に、鹿だのウサギだの仕留めた野犬から獲物を根こそぎ横取り奪うとか、襲ってきた野犬そのものを襲い返すとか殺伐な生活をして、やっと落ち着いて今さっきPDA見返して思い出したんだもの。ンでさっき、イズミ・カーティスバリに太陽に吼えていたところだ。
「うんじゃ、燃の修行と行きますか。心を一点に集中させて、舌、練と。」
心を一点に集中、と言うが簡単に言うと夢中になる事だ。何かに夢中になる、しかもそれを口に出す。ここまで行くと一つの事が思い浮かんだ。歌でも歌えばよくね?アッパー系の、熱血系の。真っ赤な誓い~。
PDAを起動させ、音楽を再生させる。が、何にしよう。これから長いお世話になるんだ。大好きな歌を、大好きなものを歌おう。
何が好きだ?俺は何が好きなんだ?
今の最上位は境界線上のホライゾン、その少し前は都市シリーズに終わりのクロニクル。だが、駄目だ。
とおしかな、不可。テッペン入んない。
清このよる。却下。クール系、心が落ち着く。
都市シリーズ。歌えない。
T.総長歌。無理。

川上稔作品から離れよう。

ならなんだ。東方か?東方でテッペン入って燃えて念になるもの?
八雲紫の境界概念?無理。元はマエリベリーの結解の境界が見える力が変化し、彼女自身妖怪化、型月の概念そのものになった姿が八雲紫、死かも紫になって時間が相当経っている様子。一言で言うとメモリ不足。
風見幽香?彼女も無理。メモリ不足。てかあれは純粋な地力。
ガンキャノン?レミリア?無理だっての。

東方も無理。

じゃ何で行く?
俺の他に好きなもの、FF・DQ・スパロボは正直肌に合わない。
テイルズ、ジージェネ、アーマードコアと来てふと思い出す。大好きな歌。
Vガンダム。STAND UP TO THE VICTORY。
何故好きだ?
一番最初のガンダムだから。
どんなところが好きだ?
自由に空を飛べるから。
GでもWでも好き勝手飛んでるじゃないか?
昔は何が何でも好きだった。理由なんて無い。
今は?
それはそれは大好きだ。病気と言って良い。
何故?
子供でも乗れるから。足どころか腕さえ飾りだから。
壊れたら取り替えれば良い。手足を消耗品としてぶつけて攻撃しても良い、特攻させてもかまわない、何が何でも勝利を捥ぎ取るその思想が。そしてそれを見つけた主人公が。

突っ走っている。
そう言えた。

自然、音楽を再生させていた。
そして歌う。

最後の1小節。
好きだなぁ。
苦笑する。
しかし、好きだ。Vガン手に入れたら、絶対、
「ガンダムよ!天に上れ!」
ネタをやってやる。そして上ってやる。
しかし、念でやっていいのか?具現化して、メルエムに突っ込んで生きて帰ってこれるのか?
無理だ。手足を具現化し、切り離して特攻させて攻撃した所で核に耐える奴には敵わない。そもそも最構築するのにどれほどの念が必要だ?そもそもモビルスーツ見たいなでかい物、具現化するのにどれほどのオーラが必要だ?自分の身体を対価に具現化?無理無理。フィードバックがきつい。コックピット部分のみを遺し、残りを脱皮するが如く、再生させないと。使い捨てネタはアレだ、使い捨てても大丈夫なほど後から後から補給が万全だからこそ出来る攻撃なんだ。ならどうする?Vガンネタはベースまで落とし込もう。具現化するより、ガンダムの世界に行く念能力でも開発してがめて来よう。
なら次だ、思想は勝利を捥ぎ取る。
そこに至る方法は?
メモリをなるべく使わず、地味で、しかも応用が効き、効果が絶大なもの。
ハッキリ言えば、Vガンダムは地味だ。分離変形合体が出来るが、それだけだ。V2みたく光の翼があるわけで無く、Gみたくチート全開なもんでも無く、WやXみたいな派手な攻撃は無い。ヒゲ?時代が違う。縮退炉とか無理。しかも量産機。いっぱいいる。だが、それがいい。壊れたら、他の機体からパーツをもらえば良い。
パーツ。部品。資材。
何処に有る?そう考えて思考を放棄する。
色即是空、空即是色。
見える所に無く、見えない所に有る。
見えない所。見えてない所。
見えていない、見ているのに、見ていない。
頭から力を抜く。そうすると目に入るもの。山が、雪で真っ白になった山が、葉っぱが枯れ落ちて裸になった木々が。夕焼けに染まった風景があった。
「ムキチ・・・」
ここに居て、ここに居ない。しかし、ここにちゃんと居る。
聞こえるか?俺の声が。

もう一度、今度はPDAの中の全ての曲を歌い切るつもりで歌う。
メルエム、奴ですらこの世界の中の生き物だ。この世界の一部だ。この世界そのものの物理法則に縛られている。科学技術、核兵器の攻撃にひざを屈した。物理法則に、遺伝詞に干渉する。生き残れれば良い。何処に勝利目的を置くか?それを確定すれば良い。奴を倒せとは書かれて居ない。奴に会えと行って居るだけだ。生きて帰る。元の世界に。それが俺の勝利条件。
「聞こえるか?世界。俺の声が。」

ぴろりろん♪効果音がPDAから鳴った。

そんなわけで一ヶ月。
「ヒャッハー!にーくー!」
今日も今日とて狩りである。鹿を仕留めた野犬に飛び掛り、ボーナスを狙う。野犬が吼え猛って、咬みついてくるがタオルを巻いた左腕を口に突っ込んで窒息させ、そのまま喉の中身をつかみ、腹にナイフを刺して振り回し、背から木にぶつける。
「ばーんーめーしー!」
骨を折る勢いで。2回、3回と打ち付ける。喉に腕を突っ込んでいるのにくぐもった悲鳴が出る。それを聴いた他の野犬が逃げて行く。
捕まえた野犬に止めを刺し、鹿と共に解体する。今日も御馳走だー!
だがしかし、
「日本でやったら確実に捕まるな。」
それはともあれ、頂きます。

ネグラとしてる洞窟に帰り、星を見つつPDAを起動する。
このPDA、チートだった。他に転移者が居る事を示唆するデータが書かれていたのだ。個人名は塗りつぶされていたが、これは接触すれば自動更新され、表示されるとの事。他の世界の情報も有るには有るんだが、それは世界の名前からして塗りつぶされてる。
書かれているのはギフトとして神連中から与えられたスキル。
やっぱ赤い弓兵や金ぴか慢心王、腹ペコキングが人気だわー。いっぱいいる。FFやDQのスキルを習得してる連中も居る。テイルズ系は人気無いのかよ。ちょっと所で無く寂しい。
しかし、この世界だけで300越とかありえない。
こいつ等が全部虫行くんなら俺このままボーっとしとくのも良いかも?
と思ったが、いやつぶやいたのだが、イヤホンから
「しかしげんじつはあまくない。」
と、流れてしまって凹んだ。こいつ等も気にして探し回ってるんじゃないのか?と言い返すと、
「フラグが足りない。」
と言われた。
「これが世界の選択だ。」
と。
「つまり何か?主人公達がカイト達と自然公園の生態調査依頼こなさない限り虫が見つからないと?NGLに居てもどうしても探し出せないと?」
「Exactly.」
「まるで伯林の地下の扉だ。」
覚悟が無い限り出て来なかった、あの概念に守られた部屋。
「さて、今日で一ヶ月。燃、大丈夫かね。」
暖をとるために点けた火を消し、雪の降る冬の寒さで悴む体。しかし、確かに生きているという熱。身体に流れる血潮。
何も考えずにただ感じる。空を見上げ、雲の少ない星空を見る。気付かないほどゆっくりと、だが確実に動く星。動く。そこに生命力を感じる。冬は命が寝る時間。しかし、確実にそこに有る、鼓動。ホンの小さな、かすかな魂。感じた方向を見ると、リスが居た。同じモノを俺の中に探る。よし。
「いっちょ、やってみっか。」
練。燃える方でなく、念の方を復唱する。
「身体に纏ったオーラを絶で消し、身体の奥底へ仕舞い込む。全身の細胞から少しずつ集め、貯めたオーラを一気に外へ!」
あ、と叫ぶ。夜中の迷惑なぞ関係ない。犬が叫ぶが、明日は出発だ。餌にはならない。
ぴろりろりん♪
又鳴った。ステータス更新の合図らしい。纏、練取得と表示されている。
「朝に山下りてパドキア行くまで纏と練練習すっか。」

折角だから次の街まで走りながらいくお!なんて考えたのが運のツキ。
「キヒヒ、隠れてないで出ておいで、子犬君。たっぷり可愛がって上げるから。」
山から下りて適当に街でぶらついた後、空港のある首都まで直通の電車が通る街まで修行がてら走っていたのだが、歌を歌うのに夢中になり過ぎて警戒を怠り、シリアルキラーの餌食になりそうになって居る。どうやらコイツ、念能力者らしい。正規の訓練を踏んでいない様なので、腕を切られて興奮状態でオーラの出力が上がっている今の俺の目には垂れ流しのオーラが見えるが、それ以上に、奴がナイフに付いた血を舐めた瞬間、吹き上がるオーラが倍増する。あの調子だと、舐めた血で追尾可能になった気がする。使えそうな武器を探すが、どうやら最初の襲撃でナイフの留め具を切られて失くしてしまった。いや、奴の後ろに、切られた時に放り出した荷物の側に落ちて居る。ふぁっく。

とりあえず、奴から離れるため、掛け出した。

男は舐め取った血を口の中で何度も味わった。その血に篭る常人よりも多い生命力に旨みを感じ取り、今年一番の獲物に狂喜した。
不思議な力を手に入れたのは二年前、それまではただの通り魔だったのが、老人を襲った時に反撃に合い、とても良く切れるナイフで刺された時だ。蒐集目的だったのだろう、抱えていた荷物がこぼれ、中身のナイフが出た時にとっさに足を刺されたのだ。
通り魔しようとして思わぬ反撃に合い、足の痛みを忘れるほどの怒りで老人を殺した時に、そのナイフを奪った。そして試しに炊事で使ってみると良く切れたので次の襲撃からはそのナイフを使った。そして、そのナイフに付いた血を舐めるととても頭がクリアになり、周りの状況が手に取るようにわかるようになった。まるで、後に目が付いているようにもなり、そして小さな音や微かな匂いにも敏感になった。警察や目撃者に敏感になり、ずっと日課がやり安くなった。
この二年、ドジは一切していない。
今年の仕事始めとして、ちょうど良い所に男が見えたので襲ったが、これは大当たりだ。こちらを全く警戒せず、歌うのに夢中だったので切りつけたが、なんと生命力の多い事。これからの日課が詰まらなくなるほどの引き出物だ。大切に、ゆっくりと味を噛み締めねば。
敏感になった嗅覚で追う。それでなくても雪で真っ白になった地面に赤い血で道しるべになっている。追うのは簡単だ。走り疲れた時に、ばあっと驚かせてやろう。そして恐怖心を煽るのだ。そう考えると、ゆっくり歩き出した。

さて、獲物を求めて山を駆け、体力は強制的に付いているのだ。走るのにはまあ問題はない。問題は生存だ。奴に追い着かれるのはダウトだろう。しかも血を舐めた。俺ならマーキング用の制約にする。匂いで追い着く?あとは血の跡か。
逃走は不可能、ならば反撃のみ。反撃方法は?
先ず奴の武装から。とはいえ相手はただのオーラ垂れ流しのシリアルキラー、別段複雑な念を持ってるわけでも無いだろうし、武装はあのナイフのみだろう。
相手の念能力の可能性は?
嗜虐趣味を満たす為ならば、俺なら追尾以上の能力は付けない。相手を操る力を付けないのか?自由意志は奪わないだろう。首から下の制御は奪うが。
自分の意にそぐわない動きに戸惑い、自分から地獄の底に歩いていく、その恐怖心に染まった顔がそそられると言うのなら別だが、否定要素は有る。

念の知識が無い事。
今視界内に血の跡が見えないこと。
まず1、知識に付いてだが、念の知識と言うか、念は先ずハンターのみ、いや、なりたてのハンターでもすぐに取得できると言うものでもない。そもそも何千何万と受験する中で20人にも満たない合格者数だ。先ず広がらないだろう。ならば操ろうなんて考えられないだろう。
例外は極道だが、奴は素人だ、素人で合って下さい。
・・・・・・・・もしかしてどっかに飼われてる?

奴に直接聴こう。余裕があったら。それまで保留。

次に視界内に血が見えない。そして野犬に咬まれる傷とは違う痛みに苦労しながらオーラを探ると、奴は後ろの方に居る。
Uターンするわけで無し、直線方向に向かって進めている。
それすらもブラフだという可能性も有るが。だがそれは念を知っている、もしくはオーラで思う存分遊んだと言う事、不思議な感覚に大きな興味を持つと言う事。
もし興味を持たれて居たらダウト。とても便利な力だから興味無いのはありえないだろうが。

さて、反撃方法だが、ナイフを取り上げる。しかし素手で反撃は不可。
棒切れを探し、無いので枝を折ったり雪をかいて固めたりする。
追った枝はもろく、竹刀の様には使えないから、太い方を握り、少しだけ尻を出す様にする。枝の細い方で叩く、様に見せかけて尻で刺すのだ。そして雪を玉にして準備を終わらせる。狙うは右手、ナイフ。
雪を蹴り上げて視界を覆い、雪玉投げて目をつぶし、刺して、取り上げて、フルボッコ。

その前に、一つ。
「聞こえているか?俺の声が。この森に棲む遺伝詞たち。純白の雪林、春に向けて眠る森と、眠りを妨げる暴力の意志。そして、勝利を勝ち取る戦いの意志。」
遺伝詞に干渉する念能力志望なら、やっぱこれでしょ。

気合を入れ、練の状態になって男に向かって引き返す。それにおどいた顔で話しかけてきた。
「どうしたんだい子犬君。鬼ごっこはもういいのかい?」
「止めだやめ。逃げてどうにかなるもんで無し、立ち向かうしかないでしょう。所であんた、どっかのファミリーの人?そろそろ仕事始めにゃ遅すぎんじゃない?こんな所で遊んでて良いの?」
その反応は初めてだったのかますます気をよくして返事をかえす。
「大丈夫だよ、僕はねぇこれと言った職には就いて無いんだ。だからここで君と思う存分遊んで居られるんだよ?それにあんなおっかない人たちと仲良くなりたくないし。」
聴きたい事その1クリア。その2は早計か?
殺す、こいつの命を奪う気で、否、奪うために練をする。
一気に増大したオーラに気圧されたか、悲鳴を上げるが気にしない。
雪を蹴り上げ視界を覆って先手を取り、顔に向かって雪を投げる。当たった音と悲鳴、倒れた音を聴きつつ枝を握り締める。地面に尻餅をついている相手の右手に握られたナイフを蹴り飛ばし、馬乗りになって殴る。殴る。殴る。練で練り上げたオーラを両手に集中し、顔を殴る。枝を刺す必要が無くなったが、とりあえず握ったままで殴り続ける。
血だるまとなり、顔が倍近く膨れた所で手に持った枝を頭に刺すべく振り上げ、切先にオーラを溜めて、いざ刺さんとしたところで白い何かがタックルし、跳ね飛ばされる。
「コイツの念か!?」
衝撃をそのままに、地面を蹴って離れ様子を見ようとして固まる。
―――もういいの。
雪と土、草や枯れ木で出来た蛇とも獏とも付かない不思議生物が居た。
しいて言えば、終わクロの4th-Gの住人。
あれは草のみだったが、これは、そうこの雪林に有る物で出来ていた。
―――もういいの。
もう一度、同じ事を言った。
コイツが4thの草の住人と同じ物だったら、一番大事な事は言わない筈。とりあえず、シリアルキラーを凝で見て起きる様子が無い事を確かめる。
安全、否、戦いが終わった事を見て、考えるため頭を冷やすために雪をかいて顔に当てる。
「もういい、のか?」
―――もういいの。
質問ではなく、確認を取る。もう良い。殺そうとしなくても、良い。
とりあえず、シリアルキラーの持っていたナイフを回収し、腰に付けていた鞘を没収。念獣(暫定)を肩に背負い、俺の荷物の場所までシリアルキラーを引きずり始めた。

「聞こえていたのか?」
―――聞こえていたの。
「何時から聞こえていたんだ?」
―――ずっとなの。
「そうか。」
かみ合って居ないようで、かみ合っている、そんな会話をしてとりあえず荷物を回収した。
このシリアルキラーをどうするか、と迷っていると、荷物から軽快な音楽が繰り返し鳴り響く。
「いつもの効果音?」
PDAを見ると念能力の発現とシリアルキラーに関してのデータが表示されていた。
念能力は風水、世界の構成に対し、干渉する程度の能力、とある。
念獣たるこの獣はTOP-Gのノアの意志端末のような存在らしい。
コイツにオーラを食べさせて色々風水で作れたり出来るらしい。
そしてシリアルキラーには名前や念能力、そして懸賞金の金額が表示されていた。

名前 フィリップ=サンフィールド
念能力 蛇の舌 リップサーチャー
ナイフで切りつけ、血を舐める事で相手を何処までも追い続ける能力
懸賞金額 2千万ジェニー
犠牲者は3桁に上りそうだった。

「賞金に変えるか。」
言って立ち上がり、念獣をひざの上に持ってくる。
「なあお前、コイツ殺しちゃ駄目か?」
―――駄目なの。
「コイツ、いっぱい人を殺してる。他にももっと生きたかった人がだ。埋め合わせしなきゃならない。」
―――駄目なの。
思わずため息が出そうになり、ふっとある竜を思い浮かぶ。
「お前、この世界好きか?」
―――好きなの。
「殺された人達、好きか?」
―――好きなの。
「・・・殺したコイツ、好きか?」
―――好きなの。
決定だ、コイツ、これはV-ZWの考えだ。
なら、話は早い。
「解った、殺さない。でも、償いはしなきゃ駄目だ。」
その言葉に、首をかしげる念獣。
「殺した分、働かせる。その為の所に連れて行く。」
とりあえず、捕縛用の縄だ。
形式美を考え、
「聞こえているか、10もの遺伝詞たち。悪しきを捕らえる土の蛇、自由を奪い、これからの義務を求める声。」
そう言って、雪を掻き出して、土を露出し、繊維化して編んだロープで締め上げる。オーラを使って身体を強化しているから、これまでに無いほどの締め上げ具合だ。
あとは足、か。
作るもの、材料は土や木、石だ。雪はあまり押し固めが甘いと直ぐに崩れるから却下。
大きさは高さ一メートル、縦横の幅は2メートルの木で出来た蜘蛛でも有れば良いか。鳥のような空を飛ぶのは、一言で言うとガッツが足りない。人の形は、動く鎧でも無い限り必要無い。そんな奴より多脚戦車の方がいいな。
うん、決まった。頭や顔の所に操縦席、大きさは前述の通りで、爪先に石を固めてそれ以外は林を使った材木で。
念獣を抱えて、
「聞こえるか、この雪林に棲まう全ての遺伝詞たち。目的地へと逸る意志とそれをかなえる樹の身体。蜘蛛を模した偽りの手足」
バキバキと、樹が、石が吸い寄せられて形作られていく。3対の足に1対の鋏み付き前腕、大きな腹部。
顔の部分が椅子の様に凹み、モビルスーツのコックピットのようなコントロールグリップと足掛け、拘束具が有る。
シリアルキラー・フィリップを縛り付けて荷物を背負い、念獣を荷物の中に居れようとして、ふと気付く。
「お前、名前欲しいか?」
首をかしげて、
―――名前?
「名前。」
―――欲しいの。
「楽しい事、好きか?」
―――楽しいほうが良いの。
そっか、とつぶやき、
「リズム。楽しいリズムを刻む、と。安直だがそれで良いか?」
―――リズム?
「リズム。」
―――リズムなの-!
そう言って念獣―リズムは身体毎手を振り、踊りだす。
「出発するから、捕まっててくれ。」
シートに腰掛、グリップを握ると左右の脇からベルト代わりの拘束具が締め付ける。足掛けを前に倒し、発進する。舗装された道を無視し、すっかり暗くなった夜の空、山の向こうのうっすら白んでいる街の灯りに向かって。

|

« やっと書けた | トップページ | 参加表明 »

H×HSS ハンター五行風水」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 五行風水改定1話:

» マッドアフィリエイター(Mad Affiliator)  実際購入 レビュー 評価 暴露 [無料レポート 情報 暴露屋 口コミ レビュー]
マッドアフィリエイター(Mad Affiliator)  実際購入 レビュー 評価 暴露しています 見ないと損!! [続きを読む]

受信: 2010年10月31日 (日) 05時24分

« やっと書けた | トップページ | 参加表明 »